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次世代に解を挑戦のプロット

PROJECT REPORTS 005

2024.06.13

柔軟性の高いビジネスモデルで、
蓄電所の可能性を最大化する。(4/4)

シェアリング機能付きハイブリッド蓄電所の開発を開始

大和エナジー・インフラ株式会社 代表取締役社長 松田 守正 / NR-Power Lab株式会社 代表取締役社長 中西 祐一

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目指す成果と今後の展開

今回のプロジェクトで得たい成果を教えてください。

大和エナジー・インフラ 松田:シェアリング機能付きハイブリッド蓄電所という魅力あるビジネスコンセプトを拡大していくためには、収益性のあるビジネスモデルであることが非常に重要になってきます。今回の実証でビジネス化のための検証を行い、拡大が見込めるビジネスモデルが構築できることを期待しています。

 また、今回NAS®電池とリチウム電池を組み合わせて最適運転するハイブリッドシステムが構築されますが、運用効率がどのくらい改善されるかなどデータで検証結果を確認できる点も非常に楽しみにしています。

大和エナジー・インフラとしての今後の展望についてお聞かせください。

大和エナジー・インフラ 松田:当社はこれまで自己資金を用いて投資を行ってきましたが、外部資金の導入を通じたアセットマネジメントビジネスへと段階的な移行を進めており、2024年4月より大和証券グループの投資部門からアセットマネジメント部門にセグメントを変更し、長年の自己投資レラックレコードを活かしたファンドビジネスを拡大していきます。具体的には、国内においてすでに太陽光発電所を投資対象としたファンドの設立を実行していますが、さらに蓄電池を投資対象としたファンドの設立も目指していきます。

 シェアリング機能付きハイブリッド蓄電所も収益性が高いビジネスモデルを構築し、ファンドの投資対象になることで規模をさらに拡大していくことが可能になります。また、当社が保有する太陽光発電所にシェアリング機能付きハイブリッド蓄電所を設置していくということも、将来的にはできるかもしれません。当社は今後も市場の拡大が見込まれる蓄電池への投資を拡大していく予定で、その中でシェアリング機能付きハイブリッド蓄電所の拡大にも貢献していきたいと考えています。

 蓄電池のビジネスはまだまだ発展途上の段階であり、さまざまな取り組みを今後も進めていく予定です。その際に特定のパートナーに絞ることはせず、さまざまな企業の方々と協業することで、多くのプロジェクトにチャレンジをしていきたいと考えています。

今回のプロジェクトの今後の展開についてお聞かせください。

NR-Power Lab 中西:NR-Power Labでは、StorageHub以外にも全国でさまざまなテーマの実証を同時進行しています。例えば、静岡県御殿場市のリコー環境事業開発センターにNAS®電池を設置します。関東圏でもリコージャパンの需要家に、福島県須賀川市では、須賀川ガスと共創し複数台の異なるサイズのリチウムイオン電池を設置し、それらをNR-Power LabのVPPシステムで統合制御します。電力データを活用したデジタルサービスも、東北地方の自治体や地域新電力で実施に向けた最終準備段階です。

 NR-Power Labにとって、各実証のテーマは独立した個別のピースではなく、電力デジタルサービスも含め、既存の電力インフラと共存・協調する形で、再エネを軸とした分散型電源が各地で増えていき、お互いにつながっていくというコンセプトに基づいています。そのために、さまざまな共創パートナーと連携し実証を重ね、再エネを軸とした「分散型エネルギーシステムの構築」を目指していきます。

関連情報
【プレスリリース|2024.06.13】シェアリング機能付きハイブリッド蓄電所のビジネスモデル開発を開始~蓄電機能のみを提供するアセットフリー型サービスを目指す~
大和エナジー・インフラ株式会社 コーポレートWebサイト
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