NEWS
2023.12.12
NR-Power Lab、全国16社の地域新電力と連携し、電力の地産地消と域内経済循環の促進に向け共創を開始
~VPPシステムと電力デジタルサービスの精緻化を目指す~
日本ガイシ株式会社(代表取締役社長:小林茂)と株式会社リコー(社長執行役員:大山晃)が出資する合弁会社NR-Power Lab株式会社(代表取締役社長:中西祐一)は、2024年4月から全国にある地域新電力計16社と共に、電力の地産地消と域内経済循環の促進に向けた共創を開始します。この取り組みには日本最大の地域新電力の団体である一般社団法人ローカルグッド創成支援機構(代表理事:大滝精一)がアドバイザーとして連携します。
NR-Power Labは現在、カーボンニュートラル達成に不可欠な再生可能エネルギー(以下、再エネ)の普及拡大のため、再エネを軸とした分散型電源を支える独自のVPPシステムと電力デジタルサービス(以下、両サービス)の研究開発・構築を進めています。本共創では、地域新電力各社で両サービスの実証を行います。地域新電力各社が蓄積した電力の地産地消ノウハウや顧客ニーズと、NR-Power Labの技術力を組み合わせることで、さまざまな地域の事情に対応したシステムやサービスとなるよう精緻化を進め、早期事業化を目指します。実証期間は1年間の予定です。
NR-Power LabのVPPシステムは、AIと世界初となる分散型IDの活用により、信頼性担保とコスト低減を両立する独自のシステムです。電力デジタルサービスでは、ブロックチェーン技術を活用し、再エネの流通経路の証明をデジタルで効率良く行う仕組みの構築などを進めています。
NR-Power Labは確実かつ迅速に開発を進め両サービスの事業化につなげるため、ユーザーの声を開発に反映するための実証フィールドと、ユーザー側の共創パートナーを模索してきました。NR-Power Labとユーザー側の共創パートナーを務める地域新電力各社は、オープンイノベーションを通じて互いの強みを持ち寄り、技術開発と社会実装の両輪を同時に回す共創を開始し、脱炭素社会の実現を推進します。
環境省は、地方自治体の戦略的な参画・関与や地域民間企業の主導により小売電気事業を営み、得られる収益などを活用して地域の課題解決に取り組む事業者を地域新電力と呼んでいます。今年9月末の段階で、2050年までに二酸化炭素排出実質ゼロを目指す自治体(ゼロカーボンシティー)は991となり、地域発の脱炭素の取り組みが加速する中、全国に約100社ある地域新電力は、再エネ電源の開発・調達・供給を通した分散型電源の導入拡大による域内経済循環やレジリエンス強化を促す主役として、大いに期待されています。
日本政府が目標とする2050年のカーボンニュートラル実現に向けた取り組みの加速や、近年の燃料価格の高騰による卸売電力市場価格への影響を受け、地域新電力をはじめとしたエネルギー事業者を取り巻く環境は現在、大きな転換点を迎えています。これを受け、電力各社は再エネ電源の建設や太陽光と組み合わせた蓄電池の導入など、新たなサービスの創出を進めています。これに対し、地域新電力は地域密着型のサービス提供に強みを持っていますが、自立した地域の発展や地域の脱炭素に向けた新たなサービスの創出には、限られた経営資源からくる技術力の制約が大きな課題となっています。NR-Power Labは技術力の提供を通し、ハブ機能を有するローカルグッド創成支援機構および地域新電力16社と協働することでこの課題に挑戦します。
NR-Power Labは「挑戦する。垣根なく英知を結集し、次世代に解を。」の理念のもと共創パートナーの強みを融合し、「モノ×デジタル×サービス」で脱炭素社会の実現に不可欠な再エネの普及における課題を解決し、持続可能な社会の実現に貢献する企業を目指します。
日本ガイシとリコーは、両社がこれまで培ってきた技術・ノウハウを融合した事業を通して再エネの普及・導入を後押しし、持続可能な社会の実現に貢献します。
※インタビュー「開発と実装の時間軸を近づけ、脱炭素にスピード感を。」
今回のプレスリリース内容をメンバーへのインタビュー記事で紹介しています。
<NR-Power Labについて>
NR-Power Labは、電力関連サービスの開発を目的に2023年2月に事業を開始した、日本ガイシ株式会社と株式会社リコーによる合弁会社です。日本ガイシの蓄電池制御技術とリコーのIoT・デジタル活用ノウハウを融合し、「モノ×デジタル×サービス」で脱炭素社会の実現に不可欠な再エネの普及における課題を解決し、持続可能な社会の実現に貢献する企業を目指しています。